完読No.12 信長の棺 下 加藤 廣 著 文春文庫

裏表紙

なぜ信長の遺骸はいつまでたっても見つからないのか。
光秀はなぜ戦勝祈願の連歌を詠んだのか。秀吉の「中国大返し」はなぜ可能だったのか。
丹波を訪れた太田牛一は、謎の美女、多志に導かれ阿弥陀寺、本能寺、丹波を結ぶ”闇物語”のとば口へと足を踏み入れる。
驚天動地の歴史ミステリーいよいよクライマックスへ。
解説・縄田一男

加藤廣さんの人生をかけた、その情熱が伝わってきた。
歴史上の謎を歴史上の人物が解く。
よくあるパターンだが、探偵役を太田牛一にしたところが面白い。
信長に対する思い入れや、多志に想いを寄せてしまうところや、物書きとしての好奇心が勝ってしまうところなど。
人間味溢れる人物像でした。
実際の謎は、フィクション(だよね?)で、やや荒唐無稽なところもあるが、その時代の息吹を感じさせた。