完読No.59 雷桜 宇江佐真理 著 角川文庫

裏表紙

江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が雷雨の晩に何者かに掠われた。手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて五三卿清水家の中間として抱えられる。が、お使えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。遊は”狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが―。運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代劇編。解説・北上次郎

美しい風景が、目に浮かんでくる作品です。