No.33 亡国のイージス 新宿厚生年金会館 試写会

doradora05112005-07-29

1.★★★☆☆←客観的な目で見た評価
2.★★★☆☆←思い入れを含んだ評価
http://aegis.goo.ne.jp/
見終わった瞬間は非常に評価が高かったです。家に帰って一眠りしたら☆一つマイナス。
映画の話に行く前に。今回はサントリーが主催の試写会でした。シングルモルトXXX。会場ではウィスキーの試飲が出来ました。お酒を飲むと寝てしまうので我慢。
さて、試写会恒例の見たこと無い司会者の女性が「XXXです。宜しくお願いします」と舞台上に出てきた。次に原作者の福井晴敏が登場。私は彼の本をあまり読んだ事が無いので(「川の深さは」は読んだ)、作風はあまりよく知らない。でも、何となく人柄には好感を持っている。が、彼は話が面白くないんです。なので、彼へのインタビューは聞きたくなかった。でも、作品の事を聞くなら我慢しよう。と、思ってました。ところが、聞くのはウィスキーの事ばかり。どうやら、何かの企画で彼がブレンド?したウィスキーが優勝したらしい。勿論、主催はサントリー
「このタイミングで・・・」と連呼してました。


亡国のイージスウイスキー、原作者がブレンド
http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_07/g2005072903.html
福井さんは「(ブレンド作業では)飲みすぎて自分が作ったのが、どれかもわからなくなった」と笑わせた(嘘です。関係者以外誰も笑ってませんでした)が、「映画がヒットした時に飲みたい」と“必勝祈願”。

会場の99%が早く映画を始めろ、と思っている。うしろの人は「面白くねぇ〜」とつぶやいていた。会話が一段落していよいよ映画?と思ったら、サントリーのお偉いさんが出てきて「ウィスキーってのはね」とあ〜だ、こ〜だと話し始めた。更に、3人にウィスキーが振舞われた。「美味し〜い」司会者の呑気な一言で会場の83%に殺意が芽生えた。
漸く、つまらない話が終った。ここまで約30分。馬鹿らしい。
と、そこでグラグラグラグラ。地震です。つい先日の地震の時も映画鑑賞中。そして今日も・・。
今日のは大した事無いので暫くして映画が始まりました。
以下ネタバレ。
ストーリーについては書きたくないので書きません。どうしても自分の政治観や外交観その他諸々を入れないと書けない内容なので。薄っぺらくなるから。
先ずは、この映画の納得いかない&駄目だった点。
ファーストシーンで如月行が喧嘩をする。これはおかしい。時間の流れが分からないから間違っているかもしれないが、出向前に喧嘩して万が一乗船できなかったらどうするの?乗船できなかったら任務が果たせない。仙石との交流を深めるために必要なエピソードなのは分かるが・・・。恐らく、原作では乗船のだいぶ前の話なんでしょう。
ラスト前のシーン。原作通りなんでしょうが、あれは間抜けだった。
ラストシーン。折角ここまで自衛隊の協力でリアルな映像を提供していたのに・・・。台無し。CGチャチ過ぎ。あれだったらあのシーンは入れないほうがいい。
次に役者。
真田広之(仙石役)。専任伍長。イージス艦いそかぜ)の事なら誰よりもよく知っている。大活躍です。ダイハードの時のB.ウィルスも真っ青。年齢的に如月の父親的な立場、役回りでした。工作員にやられるんですが、何とか勝つところがよかった。
寺尾聰宮津役)。いそかぜ副長。演技はよかった。ただし、人物についての説明が無いのでかれが何故?何を目的に?の部分がよく分からなかった。これはこの役だけじゃなくほぼ全員に対してそう思った。
佐藤浩市(渥美役)。防衛庁情報局(DAIS)内事本部長。この歳でこの地位に居るって事は超エリートなんでしょう。私的にはもう少し。
中井貴一(ヨンファ役)。亡国特殊工作員。いい演技でした。私の中の中井貴一が随分変わった。尤も、今までのイメージが「ふぞろいのリンゴ」の時のものなので何をやっても変わるけど。
日本アカデミー賞助演男優賞は彼でしょう。
勝地涼(如月行役)。いそかぜ1等海士。かなりいい演技でした。彼を見れたのは幸運。ある意味この映画のキーパーソンだったので製作側も慎重に選んだ結果のようです。若者の一途さと危うさと清々しさを上手に表現してました。ブルーリボン新人賞は彼で決まり。
チェ・ミンソ(ジョンヒ役)。結局彼女は何だったんだ?ヨンファの娘?如月の恋人?別に全てを説明する必要はないが、もう少し説明があってもいいんじゃない?原作を読めって事?映画のストーリー上は居ても居なくてもいい役だと思った。
吉田栄作。よっ、久しぶり。久しぶりなので画像を載せてみました。
安藤政信(ドンチョル役)。ヨンファの片腕。自分が足手まといになったと分かった瞬間・・・。
出番はそれ程多くないが、強烈なイメージを残した。いい役者になった。二枚目の真剣な表情はカッコいいね。
次に音楽。トレヴァー・ジョーンズ。有名なの?うるさいって感じ。音楽自体を全く思い出さない。臨場感を無理やり煽った感じ。もう少し減らしてもいい。
監督。よくまとめていたと思います。実物を使えたので映像テクニックで壮大に見せたり、絵に重厚感を出す必要が無いので、得意の人間対人間に的を絞れたのが良かったと思う。CGはダメダメだけど。
脚本。長谷川康生。原作を読んでいないので何とも言えませんが、654ページを2時間強にまとめたのだから誉めてあげよう。でも、台詞が・・・・。
如月「お前は戦闘を知らない」
仙石「お前こそ人間を知らない」
ストレートなのはいいけど。チョッと説教臭い。原作がそうなの?
全体的に頑張っている映画です。本当は見終わった後に色々と考えないといけない作品なんだろうけど、それが弱い。映画では語られなかった部分を原作ではどう書いているのか読みたい。