完読No.61 恋するA・I探偵 ドナ・アンドリューズ 著 ハヤカワ・ミステリ文庫

doradora05112005-08-16

原題:YOU'VE GOT MURDER
何故、この原題が「恋するA・I探偵」になってしまうのか?読めば分かるでしょう。

健気でチャーミング、でもちょっと傷つきやすいチューリングは女の子型人工知能(AI)。ネットワーク上のあらゆるデータにアクセス可能な彼女は、顧客の検索を手助けするリサーチャーとして大人気だ。
だがある日、彼女を作ったプログラマーのザックが突然失踪する。彼に密かな恋心を抱くチューリングは名作ミステリを読み読み探偵術を覚え、彼の行方を追いはじめるが・・・・人気作家の新シリーズ第1弾。アガサ賞最優秀長篇賞作品。

ドナ・アンドリューズの前のシリーズは読みました。面白いです。主人公を含めて登場人物が生き生きしてます。殺人事件は起きますが、血なまぐささ、猟奇的な描写はありません。ユーモアに溢れてます。
一転して新シリーズ。これを書くきっかけが「謝辞」に書かれてます。引用すると。

マリス・ドメスティック・ミステリ大会。マリス・ドメスティックは1996年のプロアマ・コンテストで”まったく独創的な主人公・・・これまでミステリの分野で一度も使われたことのない職業、趣味、環境、身体的特徴、あるいは人格的特性を持つ人物を創作する”よう参加者に求めました。この挑戦状を読んだとき、チューリング・ホッパーがわたしの頭のなかで急に形をなしたのです。

ロボット、アンドロイドの探偵役は幾つかあります。でも、AIが探偵役のミステリは無かったような・・・・。私としてはその本が面白ければ良いのでその辺は詮索せずに。
チューリング・ホッパーはAIなのであらゆる情報を持ってこれる。でも、自分が出歩く事は出来ない。究極の安楽椅子探偵。どういう話にしたのか楽しみです。
次回作を是非読みたい。そう思わせる作品でした。一見、映像化したくなるけど、主役がA・Iなので見た目が地味になりそう。イメージ映像として作ればいいのか?それとも声だけでやるか?