WOWOWエキサイトマッチ 11/7放送分

doradora05112005-11-09

詳細はWOWOWの公式サイトから引用
IBF・WBO世界ヘビー級挑戦者決定戦(9月10日 カリフォルニア州
・元WBO世界ヘビー級ウラディミール・クリチコウクライナ
IBF世界ヘビー級4位、WBO2位、WBA11位、47戦44勝40KO3敗、29歳(1976年3月25日生)
身長200cm、リーチ204cm
大柄で基本に忠実な元五輪金メダリストのボクサー型
ビタリ・クリチコ実弟
●03年3月、コリー・サンダースに2回TKO負けでWBO世界ヘビー級タイトル失う
●03年8月、ファビオ・モーリに1回KO勝ちで空位WBAインターナショナル・ヘビー級タイトル獲得(防衛計1度)
●04年4月、レイモン・ブリュースターと空位WBO世界ヘビー級タイトルを争うが5回TKO負け
・NABF北米ヘビー級級王者サミュエル・ピーター(ナイジェリア)
NABF北米・USBA全米・NABA北米ヘビー級王者、24戦全勝21KO、25歳(1980年9月6日生)
身長188cm、リーチ189cm
獰猛で野性味あふれるファイター
●00年、シドニー五輪ナイジェリア代表(2回戦で銅メダリストに敗退)
●05年7月、トーラス・サイクスに2回KO勝ちしNABA北米ヘビー級タイトル獲得(防衛計0度)(NABF、USBAともに初防衛に成功)

長距離砲vs.短銃。ピーターの勢いに分。
世界タイトルこそかかっていないが、ヘビー級戦線の近未来を占ううえで、この一戦はきわめて重要な意味を持つ。勝者はIBFWBOの次期挑戦権を手中に収め、敗者はトップ戦線から大きく後退するからである。特にここ3年ほど不安定な試合が続くクリチコにとっては、まさに進退のかかった試合といえる。
WBOチャンピオンのクリチコは1年半前にレイモン・ブリュースターに逆転TKO負けを喫して王座転落。再起戦では負傷判定勝ちを収めたもののダウンを喫するという不本意な試合内容だった。今年4月の試合は右一発でKO勝ちという快勝だったが、株を上げるほどの内容ではなかった。まだ老け込むような年齢ではないが(29歳)、この試合を落とすようだと再浮上は難しいといわざるを得ない。
対するピーターはシドニー・オリンピック出場後にプロデビューして以来、これまで24戦全勝(21KO)の快進撃を続けている25歳のファイター。身長はクリチコより12センチ低い188センチだが、分厚い胸板と二の腕を持ち、パンチは左右とも最重量級らしい破壊力を誇る。ややスピードに欠ける点がマイナスだが、前に出る圧力でカバーしている。クリチコとしては足をつかいながら左ジャブを突き、長い距離を保ったまま戦いたいところ。相手の射程外から繰り出す右ストレートが急所に命中すれば、KO勝ちも考えられる。
しかし、ピーターの重厚なプレッシャーに耐えることができるだろうかという疑問は付いてまわる。アゴだけでなく精神面でも耐久力に問題を残すだけに、苦戦は必至と見られる。7対5でピーター有利という賭け率の根拠はこのあたりにあるといえる。ピーターが前に出ながら右ロングフック、あるいは得意の左フックをヒットした時点で試合が終わる可能性すらある。
離れてクリチコ、接近してピーター。序盤は互いに警戒して様子を探る展開が予想されるため、ヒートアップしていくのは中盤からか。スリリングな攻防が見られそうだ。
Written by ボクシングライター原功

結果は判定でクリチコの勝利(3対0)。クリチコは3度ダウンを奪われたが、自分のボクシングに徹し強敵を退けた。試合前のオッズでは、ピーターの方が評価が高かった。クリチコはこの1戦に敗れるとヘビー級戦線から離脱してしまうので負けられない。その負けられない気持ちが勝利を生んだと思う。試合は面白かった。ジャブで距離とって右。ワンツー、ワンツーのクリチコ。兎に角前へ出るピーター。全くタイプが違うので対比が面白かった。ピーターは負けはしたが、クリチコからダウンを奪うなど、結果的に評価を上げたと思う。現チャンピオン達が面白みに欠けるだけにピーターのような存在は大きい。
強打をくらった後にプルプルする仕草がおかしい。久しぶりに頭を使わないタイプのボクサーに出会えた。サミュエル・ピーター(画像)要チェックです。

WBA世界ヘビー級挑戦者決定戦(10月1日ドイツ)
WBAインターコンチネンタルヘビー級王者ニコライ・ワルーエフ(ロシア)
WBA世界ヘビー級2位、50戦48勝34KO2敗、32歳(1973年8月21日生)
身長213cm、リーチ211cm
NABC北米ヘビー級王者
・ラリー・ドナルド(アメリカ)48戦42勝24KO3敗3分、38歳(1967年1月6日生)
身長191cm、リーチ208cm
兎に角デカイ。身長213cmで世界レベルのボクサーなんて初めて見た。ドナルドも普通なら充分に大きいが、リング上で小さく見えた。各パーツがでかい。顔は畳1畳ぐらいありそう。
見かけと違って、ジャブからストレートのオーソドックススタイルのワルーエフ。ドナルドは距離をうまく取りつつカウンター狙い。意外にディフェンスがいいワルーエフだったが、ドナルドに何度かクリーンヒットを許した。しかし、全く動かない。
びくともしない。
初めてこの言葉の意味を理解した。ドナルドは昨年、統一世界ヘビー級チャンピオン、イベンダー・ホリフィールドに12回判定勝ちしている。決して弱くない。そのドナルドに勝ったのだからワルーエフは強いんでしょう。見た目とファイトスタイルのギャップがありすぎて、強いイメージがわいてこない。
次戦はジョン・ルイス。ヘビー級のなかでも小柄な選手。体格差をどう克服するのか見もの。