完読No.8 診療室にきた赤ずきん 物語療法の世界 大平 健 著 新潮文庫

doradora05112006-02-10

「むかしむかし、あることろに・・・」まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思ってもみなかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶた」などで解き明かす、ちょっと不思議で、ほんとうは不思議じゃない12話の「心の薬」。(裏表紙)

読む本が丁度切れたので駅中の本屋で買った本です。意外に面白かった。
以下ネタバレ
精神科の治療と物語。一見、結びつきの無いようなこの二つ。実に見事に結びつきます。まるで名探偵が犯人の名前を読み上げるかのように、大平先生は患者の物語を提示します。あくまでもぴたりとはまった案件を発表しているんでしょうが、まるでその患者のために書かれたような物語を出されると患者だけでなく読者も納得してしまう。私も自分の物語を教えて欲しい。