No.13 ふたりいる景色 五反田団 こまばアゴラ劇場

★★★★☆
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
五反田団も初。こまばアゴラ劇場も初。芝居の内容に触れる前に。こまばアゴラ劇場の周りには休めるところがない。カフェやファーストフード、漫画喫茶等が無い(探した限りでは)のでコンビニで立ち読んでました。尤も、劇場のロビーの横に休憩スペースがあるのでそこで休めました。次回はギリギリに着くようにしよう。
さて、芝居。えんぺでの評価も上々だったので楽しみに観に行きました。
以下ネタバレ
舞台は床に敷かれた布団が2組。カメラのフィルムが無数(チラシによれば365本)に散らばる。男性と女性が一人づつ。どうやら同棲中の恋人同士らしい。特に詳しい説明は無い。会話から状況が分かってくる。男性は即身仏になりたいらしい。食べる量を減らして、今ではゴマしか食べない。そして自分のおしっこを飲む(即身仏になるためのルールらしい)。ある時、近所に越してくる共通の友達が(女性)が訪ねてくる。その女性は元彼女(今の彼女には内緒)。女性たち二人は近所を散策がてら食事に行く。男性は即身仏になると決めてから外に出ない生活。二人が出たあと、なぞの女性(着物)が部屋に出現。私はゴマの精。あなたは世界で7番目にゴマを食べています。このまま食べ続けてゴマになってください。その後、ゴマも食べなくなりおしっこだけで暮らす男性。このままだと死ぬよ!彼女の懇願にも止める様子なし。女性は怒って家を出てしまう。その後2ヶ月?元彼女が様子を見に来るが、男性は元気そう。私見ですが、二人の女性が食事に出かけた後(彼女はそのまま家を出た)は全て彼の幻想なのではないだろうか?2ヶ月もおしっこだけで生きていけるわけが無いし、髭も伸びていない(これは芝居だから?)。そして場面は越してきたばかりの日に。港でたわいの無い話しをしたり、温泉宿に泊まりに行ったり。彼はいう、どうして一緒にいるの?彼は一人になりたかった。だから即身仏。それは完璧。でも、寂しい。なので幻想を見る。淡々とした芝居でした。何か事件が起こるわけでもない90分。観終わった後に感動や切なさや悲しみは無いけど、ジンワリと心に沁みて来ました。強烈なメッセージ性が無いのです。私は好きなタイプの芝居でした。主演の金替康博(MONO)さんがいいです。こういうキャラクターを演じさせたら右に出る人がいないと思う。