完読No.27 海辺のカフカ 下 村上 春樹 著 新潮文庫

doradora05112006-03-31

通勤の行きの電車で読み終わりました。朝の6時過ぎに読むタイプの本じゃないけどね。
面白い(興味深い)本ではありました。ただ、ミステリー好きの私としては、謎?が謎のまま終ってしまうと釈然としない。やはり「犯人はお前だ!」が無いと読んだ気がしない。そういう人には、向いてない本でした。なので、作者の意図するところを汲み取れた、分かったかどうかは不明。何となく、主人公のカフカ少年に対して15歳からも生きて行きなさい、生きていいよ、そんな感じの本。
以下ネタバレ
ナカタさんと旅したホシノ青年の言葉

「俺はさ、おじさん、こう思うんだよ」と青年は続けた。「これから何かちょっとしたことがあるたびに、ナカタさんならこういうときにどう言うだろう、ナカタさんならこういうときにどうするだろうって、俺はいちいち考えるんじゃねえかってさ。なんとなくそういう気がするんだね。で、そういうのはけっこう大きなことだと思うんだ。つまりある意味ではナカタさんの一部は、俺っちの中でこれからも生きつづけるってことだからね。まあああんまりたいした入れ物じゃねえことはたしかだけどさ、でも何もないよりゃいいだろう」(本文引用)

もし、この本を15歳の時に読んでいたら?もう少し違った感じを受けたでしょう。本との出会いは人との出会いと一緒だから、出会った時期によって受ける印象が違っていいものでしょう。