No.17 まとまったお金の話 大人計画 本多劇場

doradora05112006-05-06

★★★★☆
http://www9.big.or.jp/~otona/page003.html
今年上半期、1,2番目に楽しみな芝居。前売りが取れなかったので、当日券で観に行きました。
当日券情報。取り敢えず5/6昼公演の状況。前日の16時から発売開始。電話が繋がったのが16:17ごろ。取れたのは座布団席9,10番。その日の当日券は補助席(パイプ椅子)45席、座布団席24席、立ち見4席、キャンセル待ち20席。キャンセル待ちの状況はよく分かりませんでしたが、7,8番目ぐらいまでは立ち見で入れたみたい。これはその日その日で状況が変わると思うので各自で確認してください。座布団席は階段通路になります。整理番号順に選べるので我々は4,5番でした。舞台との距離は言う事無し。かなり近かったです。但し、お尻が非情に痛かった。途中から痛いのを我慢してもぞもぞ動きながら見たので集中できなかった。尻に自信の無い人は補助席を狙うべし。
さて、芝居の内容。
以下ネタバレ
キャストはこんな感じ。
蒼木家
ヒトエ(母):荒川良々
ヒカル(長女):阿部サダヲ
スミレ(次女):市川実和子
博子(誰かの子供):平岩紙
蒼木家の居候たち
馬場:宮藤官九郎
蝶子:伊勢志摩
新宿:菅原永二
蒼木家をとりまく人達
カクマル父(借金取り):村杉蝉之介
カクマル:近藤公園
神木:内田滋
ダイナマン(他多数):松尾スズキ
時は大阪万博の頃。父親が失踪して数年。何故か万博開場で仕事中に亡くなってしまった父。残ったのは借金。その借金を必至に返すヒトエ。それを博子の語りで進ませる。何故借金をしたのか?
さらにその原因を作ったのは?さらにその原因は?と、別にミステリーでは無いのでそこに重点は置かれません。個人的にそこが気になっただけ。
ストーリーはどうだろう。前作「イケニエの人」よりは最後まで話が終った気がする。中味はう〜ん。どうでしょう?大人計画の最高傑作には、なってない。個々の笑いはいつも通り面白いけど。コントを観に来た訳じゃないので内容でがつんときて欲しかった。もっとショックを受けたかった。
出演者は相変わらず良かったです。荒川良々のお母さんは気持ち悪いし、阿部サダヲは相変わらずきれのある動きをしてました。
市川実和子さん、これはみっけものでしょう。テレビや映画で見た時はそう思いませんでしたが、根っからのコメディエンヌ振りは今後に期待感を抱かせました。足が綺麗でした。「深海魚」みたいな顔。もう、深海魚にしか見えない。
平岩紙、物語を進める役。長台詞が大変そうでした。多少かんでましたが、公演を重ねるごとに益々良くなっていくでしょう。段々巧くなっていくねこの人は。
宮藤官九郎、怪しい。京大中退でウンコの研究をしている。エプロンにウンコを沢山くっつけてカレーを食べさせるシーンは笑えた。
伊勢志摩、ラストシーンでイマジンを歌う時のあいの手「あ〜う〜」は最高。涙ぐんだもの。
菅原永二、テンション芸なので多少阿部サダヲと被るが、ひたすらふざけている阿部サダヲと比べて根っから真面目な演技は好感が持てる。大人計画にはいないタイプの役者なので今回呼ばれたんでしょう。
村杉蝉之介、爺さん役があうなぁ〜。でも、この役よりハーフの息子役の方が好きです。
近藤公園、珍しく?悪な役でした。でも、根はいいやつの役だったので彼の素朴な好青年的な部分が生かされてました。この人も観る度に巧くなっていく。
内田滋、最初誰だか分かりませんでした。ヤング乞食役を好演。
松尾スズキ、今回は作・演出に力を注いだせいか、重要な役では出てきませんでした。端役を幾つかこなしていました。でも、錦野あきらは良かった。
全体的には後に残らないあっさり味。もっと毒が欲しかった。