完読No.3 クワイエットルームにようこそ 松尾スズキ 著 文藝春秋

面白がってはいけないのだろうけど、面白かった。サクサク読めるので行きの電車と昼休みで読めてしまった。帰りの電車と次の日の行きの電車で2回目を読んでいる。
以下ネタバレ
主人公はバツイチで28歳。文章芸者。何故かゲ○でうがいをしようとしていた。クレゾールの臭いとズイーンという重低音で目がさめると3点を固定されている上にチューブが3本(酸素と点滴とカテーテル)。通称クワイエットルーム(閉鎖病棟唯一の「内側にノブが回らない部屋」。危険度レベル3以上が入る部屋)にいた。オーバー○ーズしてしまったから(後に分かる)。酒のつまみに薬を飲んでしまった。
主人公佐倉のK病院(ザ・精神病院)で出会った人々について書かれている。芥川賞の候補作品。
大人計画(劇団)を好きな人にはお勧め。松尾ワールド全開です。登場人物が面白い。精神病院なのであちら側に行ってしまっている人々なのだが、リアルな描写と主人公の感想で思わず笑ってしまう。例えば「チリチリ」自分の頭にライターで火をつけ佐倉と入れ換えにクワイエットルームに入る女性。「あたし誰にも悪いことしてないじゃん!」ミニスカで泣きなら叫ぶ。因みにクワイエットルームに入るのは「人に迷惑をかけるダメな人」です。
本とは関係無いけどこれを大人計画で上演するとしたら誰がどの役をやるだろう?ちょこっと考えてみた。
主人公:これは客演でしょう。一応キレイでスタイルもいい28歳。読者モデルの経験あり。宮沢りえさんなんてどうでしょう?
鉄ちゃん:「芸人を窮地に陥れる番組を作らせたら日本一」佐倉の同居人。彼氏。内縁の夫。これはテレビの構成作家と言う点を取るか、馬鹿であるという点を取るかで変わってくる。構成作家なら 宮藤官九郎 。バカなら阿部サダヲ。見舞いに持ってきた漫画本が「グラップラー刃牙」なぐらい馬鹿。
ナース江口: 宍戸美和公。表情が無い女性。事務丸出しな物言いをする。ステンレスの国の人。
ナース山岸: 平岩紙。いい意味でNHKの香りがする。でも、足はムチムチしていて夜はエロそう。
チリチリ:猫背椿
栗田さん:池津祥子。スッとした身なりの女の人。31,2歳ぐらい。ショートカットのキャリア系?唇の形がきれい。ブラシを貸してくれた。
読後の最初の感想。何故この本が芥川賞の候補になったの?不思議。
82.6