１．WBA世界ミドル級タイトルマッチ (12月2日、ドイツ)12R
WBAチャンピオン
ハビエル・カスティリェホ(スペイン)
対
前WBAラテンアメリカ・ミドル級チャンピオン
マリアノ・カレラ(アルゼンチン)
見所（WOWOWのｈｐより）
38歳の王者が迎える正念場 混戦の可能性大
フェリックス・シュトルムを劇的なTKOに下して2階級制覇を成し遂げたハビエル・カスティリェホの初防衛戦。挑戦者はWBA1位の前WBAラテンアメリカ・チャンピオン、マリアノ・カレラ。実力伯仲と思われる両者だけに、接戦になる可能性が高い。
カスティリェホは頑丈な体躯を利した重厚な攻撃を身上とするファイター型。スピード感や切れを欠く傾向はあるが、それを経験で補っている。加えて精神的タフネスやスタミナもある。
対するカレラは、これまで33戦29勝(20KO)4敗というレコードを残している南米の強豪だ。国外での試合経験が皆無ということもあり実力面では未知数だが、03年にはハビエル・ママニ(クレイジー・キムに10回KO勝ち)を8回TKOに下していることから、ランキング相応の実力者とみていいだろう。
好戦的な者同士ということで早い段階から接近しての打撃戦に突入しそうだ。消耗戦になれば強みを発揮するカスティリェホだが、ミドル級でも通用するか?38歳のチャンピオンが初防衛戦で早くも正念場を迎える。
結果はカレラの１１ＲＴＫＯ勝ち。序盤から中盤にかけてはチャンピオンが優勢。９，１０，１１Ｒは挑戦者。端正な顔からは想像出来ないが、顔面は打たれ強い。但し、ボディーは弱そう。レフリーストップが早すぎた感は否めないが、アルゼンチンの若手有望株が、見事勝利を掴んだ。次の試合が重要でしょう。ディフェンスがしっかりしている（小泉氏によるとアルゼンチンの選手は伝統的にディフェンスが上手いそうです。）ので、大負けはしないと思うけど、ボディが弱いのが顔に出るのが弱点。パンチはいいので、ボディーを鍛えれば長期政権も可能。注目株。ジャーメイン・テイラーとやったら面白そう。
２．WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ (12月9日、アメリカ、アーカンソー州)12R
WBC・WBO世界ミドル級チャンピオン、
元4団体統一世界ミドル級チャンピオン
ジャーメイン・テイラー(出身:米国、アーカンソー州)
28歳(1978年8月11日生)身長185cm、リーチ198cm
26戦25勝17KO無敗1分
対
元IBF世界S・ウェルター級チャンピオン、WBC世界ミドル級3位、WBO4位、WBA世界S・ウェルター級11位
カシム・ウーマ(出身:ウガンダ)(ホーム:米国、フロリダ州)
27歳(1978年12月12日生)身長175cm、リーチ180cm
29戦25勝15KO2敗1分1無判定
見所（WOWOWのｈｐより）
王者の凱旋防衛戦 スピード、パワーで圧倒か
V20王者バーナード・ホプキンスを連破してミドル級の主役に躍り出たテイラーだが、直近の防衛戦ではロナルド・ライトの前に持ち味を封じられて不本意な引き分けという結果に終わっている。この3度目の防衛戦で再び「最強」を強く印象づけたいところだ。
テイラーの身上は速い左ジャブと鋭い右ストレート。そのパンチには相手に対する「バッド・インテンション」(悪意)が感じられる。
28歳、世界チャンピオンでありながら、まだまだ多くの伸びしろを残している選手だ。
対するウーマは元IBF世界スーパー・ウェルター級チャンピオンの肩書きを持つウガンダ人で、この試合に2階級制覇がかかる。サウスポーのボクサーファイター型で、手数の多さと多彩なコンビネーションに定評がある。相手にとって脅威となるパンチは持ち合わせていないが、その代わりに大崩れすることもない堅実な実力者である。
先のライト戦ではサウスポーに苦戦を強いられたテイラーだが、そのときは左構えに不慣れだったというよりもライトの実力そのものに手を焼いたと分析すべきだろう。体格、パワーで劣るウーマが相手となると、本来のスピードと右ストレートが生きてくるのではなかろうか。決め手となる右に繋げるためにも、左ジャブの役割が重要になってくるはずだ。テイラーが序盤で出遅れなければ、着々とポイントを積み重ねたうえで終盤にヤマをつくるのではないだろうか。
結果はテイラーの１２Ｒ判定勝ち。テイラーはライト戦に続いてやりにくそうな相手でした。ライトの場合は、攻撃を封じられた感があったが、ウーマとの試合は、攻撃を受けきられた、耐え切られた感がある。兎に角、テイラーの必殺パンチを正面から受けているのに、ビクともしない。途中で嫌になってしまったでしょう。それでも、ウーマのしつこい攻撃にも耐え、ほぼフルマークの判定勝ち。テイラーが強いって事は十分分かるんだけど、ボクシングファンとしては、スカッとした、劇的なＫＯ勝ちを見せて欲しい。
