No.36 サムシング・スイート PARCO劇場

http://www.parco-play.com/web/page/information/something/
★★★☆☆
以下ネタバレ
星は3つ半です。これまた、評判が今一だったので全く期待せずに観に行きいました。それが良かったのか。中々良い作品でした。出演者がみな若いので重量感はありませんでしたが、その分、等身大の若者の悩みや葛藤が素直に表現されていると思いました。
「ビューティフル・サンデイ」、「ペーパーマリッジ」、「今度は愛妻家」。この3本が凄くいいので、どうしても比べたくなる気持ちは分かります。私も比べてしまった。そうすると評価が低くなるんですよ。でも、それは今までの作品が良すぎただけであって、今作品の出来が悪いわけではないと思います。擁護するわけではありませんが、毎回毎回、同じテイスト、同じテーマでは面白くないし。色々と試す事に賛成。
出演者も頑張ってました。
星野真里:先月、「グータンヌーヴォー」に出演した時に私生活の事を色々と話していました。その充実振りが演技にも出ていたと思います。出演時間の殆どをあれに乗っていたので、体全体を使った演技が出来ず、どうしても声と表情に頼りがちでしたが、それはそれでよく出来ていたと思います。気持ち的には本音を言う役だったのでやりやすかった?
辺見えみり:前に一度、舞台を見た事があるのですが、その時よりもいい雰囲気を出していました(結婚のせい?)。抑える所と開放する所のメリハリが効いてました。背が高くスタイルがいい(顔が小さい)ので舞台映えがします。完全に女座長の雰囲気。
山崎樹範:インターネットの感想で、彼だけが浮いている云々と言う感想があったので、実際はどうなんだろう、と観ていました。確かにテンションの高い演技でしたが、それは彼の演技のせいと言うより役柄のせいだと思います。逆に役柄に合った演技をしていたと思います。笑いも多かったし。一緒に行った友達が彼のファンだったので評価が甘いかもしれませんけどね。
井端珠里:出演時間が少ないのでどうこう言うことはありません。
金子 昇:ある意味、彼の役が一番難しかったと思います。ああいう状況になる人って殆どいないだろうし、参考になる物も無いと思う。演出家の指示と役者の想像力で演じなければいけないのは、大変だったと思う。
かなり最初の方で「あっそうなのか」と気が付き、どう辻褄を合わせるのかと思ってドキドキしながら観てました。
個人的には、辺見えみりさんの役との絡みはいらない気がしました。そんな余裕は無いと思う。余程の女好きじゃないと気が付かないよ。でも、逆にその事で星野真里さんの役への愛情の量(少ないって事)を現したかったのかな?
脚本:今までは、本音を話させつつ、底にある相手への愛情をこれでもかってぐらいに入れた内容が多かった。この作品は、あくまでも星野真里さんと辺見えみりさんの女性の友情を描きながら、罪悪感と偽善をスパイスとして加えつつ、自立していく女性の姿を描いていた。観た後に少し切なくなるのは、結局自立した女性には男はいらないって事がよく分かるのから?