完読No.41 青い鳥  重松 清 著 新潮文庫

裏表紙

村内先生は、中学の非常勤講師。
国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。
でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。
いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、
家庭を知らずに育った生徒−
後悔、責任、そして希望。
ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。

少年時代の自分が村内先生に出会っていたらどうなっていただろうなと想像すると、自然と頬が緩んでくる。
それが自分でも少しうれしい。
子どもの頃に出会いたかったひとをヒーローの定義にするなら、やはり、『青い鳥』は僕にとって紛れもないヒーローの物語なのである。−重松清

8つの短編。
かなり我慢していたが、最後の最後に涙が出てしまった。
通勤電車で本を読みながら泣いている中年。
自殺しないか心配されるよ。