沈黙の教室 折原一著 ハヤカワ文庫JA

タイトルや雰囲気が似ているために読んでみないと既読かどうか分からない作家。私にとっての折原氏の印象です。
この本は初めて読みました。思っていたより面白かった。広義の倒序物だが、犯罪の実行者は不明なのでちゃんとフーダニットになっている。相変わらず叙述トリックです。
最近所謂推理小説を読んでいなかったので新鮮且つすらすら読めました。
推理小説なので核心には触れません。
1点、印象に残ったシーンがあったので書いてみます。
この本の中で「粛清」と言う言葉が頻繁に出てきます(謎には関係ありません)。
ある男女が徐々に仲良くなっていよいよ・・・。と言うシーン。
男性が「粛清!!」と叫びながら女性の中へ・・・。女性も「粛清!!」と喜びつつ・・・。
なんじゃそれは。電車の中で笑ってしまった。
前に見た映画(ワンダとダイヤと優しい奴ら)でダイヤと言う女性が男性に外国語(イタリヤ語やロシア語)で囁かれると燃える、と言うシーンがあった。それを思い出した。
久しぶりに見たくなった。
結末は、順当に意外でした。他の作品よりシンプルな構成だったので納得行く結末でした。