WOWOWエキサイトマッチ 11/20放送分

WBCインターナショナルSフェザー級タイトルマッチ (11月18日 アメリカ ネバダ州 ラスベガス)12R
2階級制覇チャンピオンWBCインターナショナル・S・フェザー級チャンピオン元IBF世界S・バンタム級チャンピオン
WBC世界フライ級チャンピオンWBC世界S・フェザー級1位、WBA1位、WBO1位
マニー・パッキャオ(フィリピン)
27歳(1978年12月17日生)身長168cm、リーチ170cm47戦42勝32KO3敗2分


元3階級制覇チャンピオン前WBC、元IBF世界S・フェザー級チャンピオン元WBC世界フェザー級チャンピオン元WBC世界S・バンタム級チャンピオンWBC世界ライト級1位WBA世界S・フェザー級6位、IBF6位
エリック・モラレス(メキシコ)
30歳(1976年9月1日生)身長173cm、リーチ183cm52戦48勝34KO4敗

エキサイトマッチの11月怒涛のビックマッチ特集の中で、尤も注目していた1戦。
WOWOWの見所
究極の決着戦 モラレスの体調がカギ

ラバーマッチ――本来は「3番勝負」を意味するトランプの専門用語で、おもにブリッジなどで用いられる決着法だ。先に2勝した者が勝利を握るという決まりである。近年、ボクシングではこれを拡大解釈して「3度目の対決」を指して使われることが多い。
 プロモーターによって「THE GRAND FINALE」と銘打たれた今回のパッキャオ対モラレスⅢは、究極のラバーマッチといっていいだろう。05年3月の初戦はモラレスが打撃戦を制して3対0の判定勝ち。今年1月の再戦はパッキャオが2度のダウンを奪って10回TKO勝ち。ともにWBCインターナショナル・スーパー・フェザー級タイトルを賭けて対戦したもので、そのタイトルは現在パッキャオの掌中にある。
 パッキャオは7月に地元フィリピンでオスカー・ラリオスをも退けており、強打と勢いは健在だ。サウスポーから思い切りよく踏み込んで左ストレートを叩きつけるスタイルは、フライ級からスーパー・バンタム級、そしてスーパー・フェザー級とクラスや対戦者のクォリティを上げても通用している。幾多の激闘を経たいまはスタミナや耐久力も証明済みといえよう。
 一方のモラレスは3階級制覇を成し遂げた強打者だが、このところ生彩を欠く試合が目につく。直近の4試合に限ってみれば1勝3敗と武運からも見放された感がある。ただし、パッキャオとの再戦(10回TKO負け)に関しては、必ずしも調整が十分ではなかったという点を割り引いて考える必要はありそうだ。上々のスタートを切りながら途中でペースダウンしたのは、そうしたコンディション不良とも無関係ではなかったはずだ。本来の調子を戻していれば、硬質感のある左右ストレート、フック、そしてロング、ミドル、ショートのアッパーがパッキャオに脅威を与えるはずだ。
 一時はライト級に転向したモラレスには体重との戦いもあり、心身のコンディション調整に苦難が予想される。よってパッキャオ有利は動かしがたいところだ。モラレスが不調だと、そこに乗じてパッキャオが一気に勝負をかける可能性もありそうだ。その一方でモラレスがヒット&アウェイに徹することができれば試合はもつれるかもしれない。
Written by ボクシングライター原功

見所は↑を参考にして頂いて。私の感想。凄い。どちらも凄い。私はこの1戦を見るまで、モラレスというボクサーはあまり好きではなかった。テクニックもあり、パンチ力もあり、度胸も据わっている。非常にクレバーなボクサー。でも、胸を熱くさせるような戦いを見たことが無かった。それが私のモラレス評。しかし、この1戦で180℃評価が変わりました。彼は凄い。そうそう結果は3RKO(TKOかも)でパッキャオの勝ち。そうなんです、モラレスは負けたんです。でも、私はモラレスが好きになりました。試合前はもっとクレバーな試合をすると思っていたんです。ポイント重視のかわすボクシングをすると思っていました。ところが、打ち合いを正面から受けて立ったんです。結果、2Rに1回、3Rに2回、ダウンをして最後は自ら続行を拒否するようなそぶりを見せ終了。でも、この勇気とプライドと根性と様々ひっくるめてモラレスはカッコよかった。試合は1Rから打ち合い。台風のようなパッキャオの猛打。止まらない、止められない。必死に打ち合うモラレス。一瞬でも気を抜いたら吹っ飛ばされそうな猛攻を凌ぎつつ、勝機を伺う。2Rのダウンはそんな打ち合いの中で生まれたカウンター。パッキャオの左ストレート(ややフック系)を避けられなかった。と言うより反応できなかった。一見、めちゃめちゃにパンチを繰り出しているようで非常に当てるのが上手いパッキャオ。その真骨頂を見た。続く3R。2Rのダウンのダメージを引きずりながら、果敢に打ち合いに応じるモラレス。1回目のダウンの時はカウントを待たずにすくっと勢いよく立ち上がった。後から考えると、これが限界だったのでしょう。2回目のダウンではもう駄目でした。若しかしたら、これで引退かな。メキシコボクシング界を引っ張る一人のボクサーがメキシカンキラーに引導を渡された瞬間。胸が苦しくなった。パッキャオはフィリピン人。同じアジア人として(かなり強引ですが)、これからも頑張って欲しい。しかし、この試合が、メジャーな団体のタイトルマッチではないことがビックリする。一体誰がパッキャオを止められるんだ?
もう、マルコ・アントニオ・バレラしかいない。