完読No.11 シネマと書店とスタジアム 沢木 耕太郎 著 新潮文庫


裏表紙

蝶の舌』『ピンポン』などのヒット映画から、ピート・ハミル古井由吉の本まで、著者は決して手放しに褒めない。たとえ欠点があるとしても、なぜ自分はその作品を楽しめたのかを率直でやわらかく語る。長野五輪と日韓W杯では、選手の内面に視線を向けて、プレー中の一瞬の決断や逡巡に推理をめぐらす。映画と本とスポーツをこよなく愛する著者による刺激的なコラム批評99編。

以下ネタバレ
私にとって沢木耕太郎氏は、先生のようなものである。目標と言い換えてもいい。足元にも及んでいないけど。
この本は、そんな私にとっては、教科書のような本だ。取り上げられている本、映画、スポーツと、私がブログで取り上げるものとほぼ一緒である(個々の作品は当然違うが)。非常に参考になるが、真似しようにも真似が出来ない。見た感じは真似できるが、中身は無理。例えば、1番最初に「シックス・センス」を取り上げているが、この映画をあのラストシーンに触れずに説明する事は非常に難しい。それを沢木耕太郎氏はやっている。しかも、文庫のページで3ページ少々にまとめる。そして、読んだ人にその映画を見たくさせ、本を読みたくさせる。それは凄いでしょう。真似してやる〜。