完読No.22 さよなら妖精 米澤 穂信 著 創元推理文庫


裏表紙

1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。謎を解く鍵は記憶の中にー。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。『犬はどこだ』の著者の代表作となった清新な力作。

以下ネタばれ
一言で言えば「ザ・青春」です。他にいい言葉が見つからない。ボーイ・ミーツ・ガールの話です。他愛のない話と言ってしまえばそれまでだけど、客観的に語る戦争の痛みが、主人公と同じように胸に突き刺さる。私はこの物語の登場人物の親の世代になる。もし、自分の子供がこの物語の主人公のような体験、思いをしたら、どうする?
慰める?一緒に泣く?どうだろう?きっとこの子達は親には話さないでしょう。いつか生まれてくる自分達の子供に話すでしょう。私がこの物語の主人公ならそうする。そしていつかかの国へ行く。彼女に会いに。行く。