No.14 いやむしろわすれて草 五反田団第34回公演   

★★★★☆
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3/23 20時開演の回
友達とその友達と3人で行くつもりでしたが、急な用事で無しになりました。代わりに会社の後輩を連れて行きました。二人とも幅があるので自由席ではつらい。3人分使いました。
以下ネタバレ
公演は終わっているからネタバレしてもいいよね。
4人姉妹の話。
登場人物。
長女(一美、兵藤公美(青年団))母親が不在のため、家族の母親的存在。口うるさい。デカイと言われると落ち込む。小さい妹たちと父親の面倒を見るため結婚もせず家の手伝い。そのイライラが演技ににじみ出ていた。確かに背が高いが、あれぐらいは今時普通。
次女(二葉、望月志津子(五反田団))そこはかとなく女性の色気がある(単に私の好みだったから)。昔、新山タカシと付き合ってボロ雑巾のように捨てられた?
三女(三樹、端田新菜(青年団))病弱。この話の中心地。彼女の部屋(病室)が舞台。自分のために家族が犠牲になるのが嫌だが、それを突っ張れない自分がいる。最後の号泣は色んな意味が込められている気がした。ひとり出ずっぱり。相当ストレスがたまるだろう。
四女(春菜、後藤飛鳥五反田団))役柄的には一番好きな役。子供の頃ってあんなだよね。これは前田氏の経験で書いたのか、それともエチュード等を参考に書いたのか、三女と四女の喧嘩のシーンが秀逸。
父(父、志賀廣太郎青年団))アンフェアにも出てました。こんな小さな芝居にも出るのね。相変わらずいい声でした。趣味が日曜大工。妻はどうしているのか?何があったのか非常に気になる。
燐家の息子(新山タカシ、大竹直(青年団))三女の見舞いに行き次女と遭遇。非常に気まずい。その感じがよく出ていた。会話の途中でさえぎられ、そのまま終演。凄い気になる。
伊藤(大介、黒田大輔THE SHAMPOO HAT))この芝居の中で一番気になった場面。彼が三女に妻の事を伝える場面。泣き笑いのような微妙な表情に引き込まれた。きっと、凄く辛い状況なんだな、と事情は分からないけどそう思った。表情だけでそれを伝えられるのは相当の実力だと思う。そのシーンを前田氏がどう演じたのか興味深い。あと、いるだけでいい人っぽさが出るのは不思議。だからこの役にキャスティングしたんだと思った。そうそう、洗濯の時、何をしたんだ?この芝居で一番気になったのがそこ。
伊藤(夕子、山本由佳(むっちりみえっぱり))後輩はこの女優さんが気に入ったようでした。この人が話すと空気が和む、そんな役でした。
ストーリーは特に事件も無く、淡々と進みます。そして、状況、人物関係等説明台詞が殆ど無かった。登場人物の会話だけで分からないといけない。その会話も途中までだったり、唐突だったりする。寝たらアウト。それなのに隣の白河君(私が命名、船を漕いでいたから)は最初から最後まで寝ていました。私も時々眠るけど、ここまで寝る人も珍しい。1時間20分寝っぱなし。
演出で気がついた事。過去から未来へ変わる時、暗転をする代わりに照明の明るさを変えて表現した。その点はよかった。三女の部屋(病室)が舞台の中心なので仕方が無いが、三女役が常に舞台上にいる状態になってしまった。決して失敗ではないが、私は三女が眠っているシーンで一緒に寝てしまった。音楽を聴いていたのだから、リズムを取るとか、鼻歌を唄う等、して欲しかった。眠りたくなかった。
姉妹の喧嘩のシーンが非常にリアルだった。前田氏の経験(姉妹がいる)からなのか、エチュードなどから作ったのか?末っ子のスチュワーデスを放り投げるところや、嫌がられてもしつこくまとわり付くところなどはよかった。