完読No.123 きよしこ 重松 清 著 新潮文庫


裏表紙

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと−。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。

以下ネタばれ
泣いたさ。実際に涙は流さなかったけど、心の中で泣いた。特に、学芸会の話。ラストシーン、北風が「ひゅーひゅー」吹いて先生を押した。そのシーンでダーッと心の涙が流れた。言いたかったけど言えない、言いたかったけど言えなかった。そんな言葉は誰でもあるでしょう。少年は吃音のせいで、人より口数は少ないけど。この物語では饒舌です。どもる少年の変わりに重松氏がたくさん話させてあげた、そんな気もしました。解説のあさのあつこさんが、少年を「かっこいい」と言ってました。3度読んだとも言っていた。私も、再読しそう。もう少し貸しておいて下さい。
そうそう「きよしこ」は「清しこの夜」の途中までの事。あの歌って昔の言葉遣いだから、間違って認識しやすよね。私は「主は来ませり」を「シュワキ、ませり」だと思っていた。シュワキって何かが、ませる。意味が全く分からなかった。そういうことが多い。基本的に瞬間的なボルテージはあるけど、長期的な蓄積が出来ない。その場で分かっても、後々まで生かせない。歴史の年代も覚えられなかった。1192年も「いい国作ろう、そうしよう」と覚えてしまったのであとあと苦労した。
「鳴かぬなら、医者へ行け」誰の言葉?右と左はしょっちゅう間違えるし、言い間違えは日常茶飯事。医者へ行こうか真剣に悩んだこともありました。発症したのが、大人になってからなので苛められなかったのが、唯一のよかったこと。感想からだいぶ外れたな。